2012-02-14
★聴き手よりも唄い手の多いことの功罪
このところ晴れの暖かい日が続いていたが、今日は一転して朝からどんより冬枯れた曇り空で、午後には冷たい雨がしとしとと降り出した。
気分も天候に左右されるのか、鬱屈気味であるし、それとも連日出かけた疲れが出たのか、昨晩から妙に寒気もして頭も鈍く痛かった。風邪ならばひどくならないよう今日は昼食の仕度の後は夕暮れまでずっと昼寝していた。おかげで、寒けは収まったが、さてこのイライラをどうしたものか。そう、なかなか思い通りにモノゴトは進まず時間だけは過ぎてゆくのでやや焦り気味なのである。
さて、3.24の拙宅でのベテランフォークシンガーを迎えてのコンサートである。それに関連して「うた」、それも自分が好きな、十代の頃より関心を持ち続けているフォークソングというものについてあれこれ考えたことを書いている。
実はちょっと信じ難いが、昨今はフォークソングがまたブームなのである。でもそれは60年代の終わり頃、新宿西口で盛り上がったような社会現象と報じられるほどの大ブームではなく、実は主に今のそれはその頃ギターを手にしていたかつての「若者」たち団塊の世代が、定年退職期を迎えてヒマを持て余して再びギターを抱えて歌いだしたからだという。
先日のNHKの夕方の首都圏向け報道番組の中で、そうした風潮が話題として取上げられていたと母がそれを見て自分に教えてくれた。きちんと番組を自分が観たのでないし全てに疎い母の話なのでどうにもあやふやなのだが、荻窪のライブハウス「落陽」が取材され、そこでギターを手にしてフォークソングを唄っている素人のオヤジシンガーたちが映し出されたようだ。母が聞いたところだと今そうした素人でも出て歌える同様の店が首都圏?では100軒もあるのだという。
以上のことは自分が番組を観たのではないので正確でないかもしれないが、確かにそうしたかつての若者たちが今またギターを手にして青春時代に聴き馴染んだフォークソングを自らの演奏で歌い始めていることは良く知っていた。フォークに限らず近年親父バンドの活動も話題になっている。ただ、そうした店が現在そんなに増えているのか自分はそうした場には行かないので認識していなかった。
じっさいのところ、このところの実感では、いわゆる昔ながらのライブハウス、それもある程度名前も知れ相応の歴史のある名所的な店が次々閉店している。何十年も続いた店でも昨今の不況で客が入らないのと注文自体が減り売り上げが上がらないことと、そこのマスターの高齢化による体調不良などが原因で、儲からないことと後継者不足で旧い店は消えていく。
ところが一方、若い友人の話では、逆にライブハウスではないライブが出来る店はどんどん増えているのだと言う。確かに自分も誘われていくことがあるが、ライブ演奏もある高級レストラン的店は都心のお洒落な地域、六本木や青山などにいくつも出来ているし、さらに居酒屋、スナック、喫茶店のようなPAも備えていない小さな店でも曜日を決めてライブを催している。そうしたライブもできる店がやたら増えた。ある意味、ライブハウスと呼ばれた演奏観賞を目的とした特化した店は消えていき、逆に飲み食いの場がそのままライブ会場となるように音楽をやる場の裾野が広がったと言えよう。それは良いことではある。
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