2021-11-01
しかも衆院選は、小選挙区制度という悪制度でのものだから、各選挙区ごと当選者一人であれば、組織力と資金力のある与党、自公に有利なるようにできている。
ならば、真に政治を変え動かしていくためには、野党は共闘するしかなかった。一対一のガチの勝負ならば、票数的にほぼ互角かそれ以上となって、自公政治を終わらせることができると我も思えた。
ところが・・・
今も昔も日本人の間では、「共産党」アレルギーが強く、立憲民主党と選挙協力しただけで、「急進左翼」政権というレッテルが貼られてしまう。確かに、中国や北朝鮮、かつてのソビエトなど、「共産党」という名称は悪しきイメージが伴う。名称変更を求める声も今も強いが、我はマルクスをかじった者として、その思想には普遍的正当性があると考えているし、もし政権交代なったとしても今回も「閣外協力」程度のことで、多くの候補者を取り下げた共産党もずいぶん譲歩したものだと感心していたところだった。
もっと党の独自性を前面に出してほしいとさえ思ったが、小選挙区という悪選挙制度下では、自公と正面から戦うには野党共闘しかなかったのもまた現実的であった。
しかし、やはり「共産党」という名が入っていると、地方、都市部を問わずアレルギー反応を起こす人も今も多く、特にネットでは、基本が、反中反韓、反共産党(反民主党)が主流だから、今回のように政権選択選挙として、共産党と連合した野党勢に「政権交代」を訴えるのはやはりハードルが高かったと今にして思える。
自民党は嫌でも共産党と手を組んだ政権に抵抗を覚える人々は、つまるところ維新や国民民主を心情的に選んだのであろう。昔も今も、反自民・非共産という無党派層はかなりの割合で存在しているのである。
ただこの「共闘」が間違っていたとして今後は解消して、各野党が独自にかつてのように選挙戦に臨むとなれば、衆院では自公政権はますます盤石の安泰となるだけで、またしても安倍長期政権のように腐敗をもたらす。そこに与党が議席数を減らしたとしても補完勢力の維新が加われば今まで以上に右傾化した政策に邁進できよう。
自公政権にお灸をすえるために、「健全野党」?維新に一票入れたという民意は、尊重されなくてはならないと思うが、日本人は今回の選挙の結果が、この国をどこに導くのかこれから深く注視していかねばならない。この国もトランプ主義的な維新による「日本ファースト」国家に変貌させてはならない。
と同時に、我は今こそ「サヨク的」であることの良さ、優位性をもっと広く世の人たち、特に若者層に説いていく必要性を痛感している。
このままでは、立憲主義や民主主義的なこと、かつては当たり前の常識であったことさえも「時代遅れ」の古臭い思想だと嗤われ唾棄されてしまう国家となってしまうことを心から憂いている。
長くなったが、さらに一つだけ付け加える一つだけ大事なことだ。
共産党に限らず、マイノリティというのは、当然のこととして基本的に少数派なのだから、だからこそその思いや「存在」を共有してもらおうと考えるのではなく、まずは何よりもそういう「存在」や思考・嗜好・指向を広く外へ、世間一般に伝える、知ってもらう(わかってもらえなくとも)という「努力」が必要なのではないか。
思想的優位性に立っているとかかつての左翼的知識人はよく口にしていたが、それこそが驕りであって、マイノリティなのだからこそ、広く世の中にその独自の「思い」を少しでも伝えていく努力をまずしていくことからだと思う。
そう、人と人は分かり合えない。分かり合えないからこそ、伝えていく努力からだ。
たぶん憲法改正は急ピッチで進むだろう。だからこそ、今ここからだ。
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