2020-04-30
★一つの「世界」「日常」が終わるときはこんな風なのか・・・
今年年明けに、ちらほら海外、中国からその噂が流れてきた未知の「新型ウィルス」は、わずか一か月で、国内でも感染が始まり、感染拡大が日毎に増して、挙句に今ご存知のような惨憺たる「自粛」社会となってしまった。
自粛・自粛で店舗や企業の業績が悪化しただけでなく、もっと不要不急な「文化・芸術」活動もまた中止を余儀なくされ、ミュージシャンのみならず、イベント企画全般関わる人たち全てが廃業の憂き目にあっている。
そう、歌舞伎座前にあった仕出し弁当の老舗が閉店したように。
わずか数か月で、こんな事態が全世界的に及ぶとは誰一人予測も予言もできなかっただろう。
しかしやがてはワクチンも抗体も広がるだろうしコロナウィルスはやがては収束することは間違いない。人類はこれで死滅したりはしない。が、終息後のその世界は、だいぶ今までとは様相が異なるのも間違いないのではないか。
思うに、アメリカや西洋諸国の場合は、早くからロックダウンだか、都市封鎖をしたから、そのぶん収束も、経済活動再開も早いだろう。そしてまたいつも通りの、これまでとはさほど変わらぬ日常生活に戻る。
が、日本に限っては、当初からそうした強い対応策はとらず、クラスターつぶしに躍起になっていたうえにPCR検査なる検体数を調べる数も他国に比べて極端に低かったから、結果的に陽性患者が蔓延してしまい、今のようにピークを迎えることはなく、ただじわじわといつまでも一定の感染者数が増え続けていく。結果としてこうした「緊急事態」はいつまでも続いていく。いや、続けるしかなくなってしまう。
その先はどうなるか。大企業は内部留保などたっぷり溜め込んでいたからこの先も安泰であろうが、資金力のない中小・零細の企業はかなり存続は難しいだろうし、バー・スナックなど、感染リスクが高いと名指しされた特定の職種はかなりの数閉店して消えていくことだろう。我が知るライブハウスや、フォーク喫茶などもまた。
会社員はテレワークだか、誰もが在宅で仕事をするようになるとか、新しい働き方改革の機会だとか歓迎する向きもあるようだが、もし皆がそうしてオフィス街などなくなってしまえば、その地の飲食店もまた消えていくことは間違いないし、デリバリーやネット宅配などの配送業者以外の運送業、バス、タクシーなどの交通関係の職種も消えていく。
また外国人観光客に頼っていた観光地のホテル、旅館、飲食店なども当面観光業全般が壊滅的状態だろうから、倒産閉店の嵐の後、そこで働く人たちは地方都市でどうやって職を得ていくのか。
この国のカタチ、つまり外国人に観光から労働力までも依存して来た経済体制そのものが再考しないとならなくなる。政府はその覚悟はあるのだろうか。
コロナウイルスを撲滅したとしても、来夏に五輪などはまず難しいとは誰もがうすうすと感じている。それは、日本だけでなく世界中がそんなカンタンに経済が回復するはずもないわけで、外人観光客自体すぐに戻るはずもない。まさにオリンピックどころではない事態がまだまだ続く。
IRだか、カジノ誘致で成長戦略という国家的プロジェクトもこのコロナ禍後には、誰も見向きもしなくなるのではないか。
そう、すべてが変わる。特に日本では今までのスタイル、社会がすっかり様変わりしてしまうだろう。
経済成長ありきで、そのために政府は日銀と共にありとあらゆる手をうってきたわけだが、もうこれから停滞と減少の時代がとうぶん続いていく。
しかし、個人的にはそれもまた逆に良いことのように思える。表向きには歓迎はしないが、ある意味ついに「そのとき」が来たように思える。
そのときとは、ほんとうの意味での新時代、新しい価値観と思想で、人類が生きていく、生き直す段階に入るときのことだ。
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