危急存亡の秋
2019-11-02


先月末の時点で、これまでのトータルの額を出してもらった、聞いて息をのんだ。最初にまず入れた一万円を除いても50万円近くであった。我としては30万円台ぐらいかと期待的に予測していたが、やはり手術代以外に当初の様々な薬や血液検査代等、日々の入院費がかさんでいた。
 しかしそれもこれも仕方ない。そもそも保険がきかないのだから暴利だとはまったく思いもしないが、さて、では、どうその金を工面するか、だ。しかもまだ、子猫は入院中なのである。これからも一泊だけで2500円消えていく。それに食事代と包帯取り換え代など看護費用が加算されていく。

 向うも幸いにしてこうした場合については理解もあって、毎月定期的に分割で支払ってもらえればと言ってくれた。で、昨日とりあえずまずは今月分として貯金下して5万円だけ入れてきた。※もう我の銀行預金は残額10万円を切った。
 正直に書けば、我家は父の年金だけではもう家計は成り立たないのである。介護保険とその施設利用料だけで父の年金の三分の二は消えていく。だから仕方なく「生活費」として毎月我の預貯金から、あるいは九州の妹から送金してもらって何とか補填してやりくりしている。
 そこに、猫の医療費の月月の支払いが新たに加わった。

 幸いにして動物病院は、有難いことに金利もつかず毎月ともかく数万でも返済していけば良いとのこととしてくれたが、カツカツの状態のところに更なる支払いが増えたわけで、どうその分をさらにまた工面するか頭痛めていた。
 我としては、ともかく父が生きている間、つまり父の年金が入って来るうちにはその病院への支払いは終わらせたい。恥ずかしい話、我自身は無年金なのだから父が死ねばさらに困窮する。となると、何としてもあと2年は父に生きてもらわねばと、心新たに決意した。しかし、そうなると父は97歳である。現実問題としてそんなことは可能なのか。
 まさに心千々に乱れて、つまるところ、我自身がもっと働いてしっかり稼ぐしかないと今さらながら大いに決意した。そのためには「商売」、まずは我の生業古本家業に精出すことである。

 子猫の件は何も後悔はしていない。まだ生きているものを、金がかかるからとみすみす安楽死させていたらもっと頭おかしくなっていた。だからそれはともかくとして、金の工面のことや三本足の猫が帰宅してからのことなど、先のことを考えると夜も眠れなくなるが、汝、明日のことは思い患うなかれと、イエスも言っている。ともかくまず一日一日何とか生きていくしかない。
 
 と、やっと決意したとたん、一昨日、今度はその父が、施設から帰ってくる日に、向こうで食べた昼食を全部嘔吐したと帰宅時に知らされた。熱はないしその理由もわからない。そしてその晩もほとんどウチでも何も食べられず、いよいよ老衰が進んで、口から食事も摂れなくなってきたのかと暗澹たる気持ちに陥った。
 しかし現時点では何とか持ち直してくれて、今はまた介護施設へショートステイで行ってくれている。向こうから特に連絡はないから、まあ食事もできているのだと思う。そう楽観的に考えるしかない。

 それにしても・・・還暦を過ぎて、自分でもこれからの人生はできるだけ何事も増やさず、面倒にせずに、スッキリ、シンブルにしていこうと誓った。
 が、あろうことか、現実はそうなるどころか、猫は増え続け、さらに大怪我して入院治療となるなど、ますます事態はさらに複雑に面倒になっていっている。抱えるものはさらに増えて多事多難とはこのことである。
 ますます身動きとれないし金ばかり出ていく。いったいどうしたらよいものか。この先に出口はあるのか。いつ抜け出せるのか。

 やることはいっぱいあるが、幸いにして今はそれに向き合う時間、そのための時間がとれるのが有難い。それがうまくきちんと成し終えられるかはともかく、も。


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[日々雑感]

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