続・増税後の好景気?を考える
2014-05-10


★本格的貧困格差社会の到来    アクセスランキング: 128位

 消費税増税が景気刺激策になっとは皮肉なことだが、この税率アップが冷え込んでいた消費マインドに刺激を与えたことは間違いない。問題はこの高税率時代に社会全体が持ちこたえられるかであり、こうして次は10%、さらに日本の将来を考えればさらなる税率アップなどと答申に従えば間違いなく消費は冷え込んでこよう。ただ今はまだ8%、5から8へのアップ程度では多くの給与生活者たちにはあまり痛痒を感じていないのではないか。

 ただ、今回の増税については大いなるまやかしがある。その今も賑わっているウチの近くの野菜や肉、魚を扱う生鮮食料スーパーでもこの四月一日から、それまでの税込表示を改め別途買物総額に消費税8%をかけるという方式に変わった。
 だから、消費者としては商品の値段は前のままだから値上がり感はまったくない。ただレジで支払うとき以前の価格に新たに8%くわえられ支払うことになる。しかし考えてみるとそれはすごくおかしい。以前は5%の税込でその値段だったのである。ならば増税後は新たに3%だけかければよいはずだ。ところが全てに新たに別途8%消費税としてかける。それでは実質値上げではないのか。
 たまに家族で利用していた中華料理店でも店内の貼り紙で、『4月1日より全て「税抜き価格」にて表示させて戴きます』とあった。値段はそのままで、そこに新たに8%かかる。今までは税込み価格、増税後は別途8%、これって詐欺的まやかしではないのか。

 駅前の牛丼チェーン店では、牛丼並250円!と大きく宣伝していたが、そこに別途消費税として20円だかかかるので、以前の税込価格とさほど変わらない。ただ、消費者としてはそうしたことに気がつかず、モノの値段そのものは変わっていないと思い、あるいは逆に安くなったとさえ思っている。またそれに気がついても大して変わりないと思い、お上の決めたことだからと唯々諾々と従っている。しかしこれは本来便乗値上げとして行政が指導すべきではなかったのか。

 中には、ホームセンターの雄カインズホームや良品計画のように、前と変わらず全ての商品の税込み価格表示を貫き、値上げすることなく、実質的に「値下げ」してその分企業努力で補っている良心的会社もなくはない。が、この世は詐欺といかさまでできていて、商売にはつきものと山本夏彦翁がいみじくも書いたように、多くの小売業では増税を機にこうした便乗値上げをしてすました顔をしているのである。

 今はいい。ただ、こうした増税は当然のこと、低所得者層にはじょじょにじわじわとダメージを与えていく。じっさい収入の増える当てのない人にとってはさらなる増税は死ねということであろう。今でもレジに並んでみれば好景気にわく若い人たちはカゴいっぱいに肉や魚が満載だが、老婆のカゴには値下げした魚のアラと野菜とかもやししか入っていない。今もまっさきに棚からなくなるのはもやしなのである。

 かつてこの日本は国民の八割方だかが、自らを中流だと思うという一億総中流幻想があった。それは「幻想」でも自らかそう思い込んでしまう実態と実感がそこには確かにあった。しかし、今の日本で自らを中流だなんて思う人、感じている人がどれだけいるか。
 残念だが、半数近くの人が、いやそれ以上が実感として下流、下層だと感じているのではないかと思える。そして一方ではヒルズ族のようなITや輸出産業中心に大金持ちの層も確実に増えている。都心のマンションも価格が高くても売れ行きは良いのだそうだ。つまり金持ちにはさらに金が流れ、貧乏人、貧困層からはお金がさらに逃げていく。そんな日本に、アメリカ型格差社会へとこの国はさらに進んでいく。

 つけ加えればそうした社会を作ったのが自民党、小泉政権であり、今その男が脱原発を叫びそのための活動を始めたとしてもそれは果たして真に受けるべきであろうか。

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[日々雑感]

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