2012年の「うた」をとりまく状況考察・3
2012-02-15


というのは、音楽とはいったい何かという考え方の違いでもある。むろん喫茶店で静かに流れるBGMのようなものも確かに存在する。しかし、ミュージシャンが真剣に演奏し熱くうたっているときに、カチャカチャとフォークやナイフの音を立ててもぐもぐ食事しているのも失礼なことだし、聴く側だって集中できやしないはずだ。ディナーショー形式の店というのは、根本的に音楽というものを食事の際のBGMと位置づけて、料理優先だと考えていることは間違いない。

 もちろんその程度の軽い音楽もあろう。またそうした楽しみ方も存在するし何だって自由であるべきだ。ただ、自分の考えでは心得違いだと断ずるし、そうした店にはよほど特別なことがない限り行くことは絶対ない。まあ、出る側としては、出る場さえあれば細かい文句は特に言わないものか。音楽に対する考え方も人それぞれ違うから迂闊なことは書くべきではない。

 ただ、自分が考える「うた」についてだけは、やはり食事に気をとられることなく、観客は集中して耳を傾けてほしいし、そう向き合うべきものだと信ずる。むろん、アルコールだろうと飲み物は全くかまわない。何もクラシックのコンサートのように咳も立てずに堅苦しく真剣に聞き耳を立てろとは言わない。ただ、それが一つのショーだとしても、唄はうたとしてきちんと目と耳で味わうべきものだと思う。そこに舌は入ってこない。

 まあ音楽の楽しみ方は人それぞれで、酔っ払って野次飛ばしながら宴会ノリでわいわいがやがや楽しむのみ亭・岡大介スタイルもあるし、千差万別なのだから、ことさらディナーショー形式に目くじらを立てることもないのであった。そうした店に足繁く通えるセレブになれば良いだけの話であるか。

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[日々雑感]

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