2011.秋の京旅行の記録・中・2
2011-11-08


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★「京の森のものがたり」を観た5日のこと

 思い返すと今年、自分が京都に行くのはこれで三度目であった。
 
 まず春のゴールデンウィークの中日、大阪での春一番コンサートのついでに、毎年恒例として京都にも立ち寄った。春一の空白日である。しかし、その頃のブログをご確認頂ければお分かりのように、いろいろ問題を抱えていて、その時の京都は全く楽しめなかった。
3.11の大震災の直後でもあり観光客も少なく、全体的に活気もなく、黄砂のせいかすべてが白っちゃけて味気なく見えたことだけが記憶にある。一泊したはずなのだが、何をしたのか。
 自分も癌摘出手術直後の母をおいて、最後となるかもしれない春一番だから何としてもという思い人に彼らを託して無理に無理して関西に来たのに、結果として徒労に終わったことで、しばらく後々悔いばかりが残る結末となった。

 そして二度目は夏、8月頭、三重県津で友人が主催するフォークシンガーによるコンサート「ええかげん祭り」が最後となるとのことで、海辺のライブ小屋「ええかげん」に終演後一泊して、翌日京都まで足を伸ばしたのだった。
 そのときも有馬敲さんに呼ばれ彼がゲストとして出られる朗読ディナーショー参加のためで、夕刻に京都に着いたものの寝不足もあり、そのイベント自体にもあまり気が進まず、会場のライブハウスまで重たい足を渋々運んだのだ。まあ、そのショーはいろんな意味で大いに考えさせられ興味深く、刺激受けた。観たことで大いに勉強となったことは拙ブログでも既に書いてある。
 ただ、その晩の夜行バスでトンボ帰りしたので、その日もともかく慌しく朗読ショーが終わり有馬さんと挨拶もそこそこに必死でバスの出る京駅八条口に向って走った。それでも夏の京都は修学旅行以来であり、浴衣姿の若い女性も多く見かけて、なかなか風情があった。

 そんなこんなで既に今年二回京都に来ているといってもどちらも慌しかったり心中に悩みを抱えていたりと京都の町をゆっくり味わう余裕が全くなかった。そしてようやく今回、訪れる目的は一日だけに留めて、今度こそ秋の京都をゆっくり堪能してこようと出かけた次第であった。その思いは十分に果たせた気がしている。

 さて、ではその今回の旅「目的」である、観覧に来た公演「京の森のものがたり」についてふれないとならない。
 これは詩人有馬敲の同名の童話を原作にしてはいるものの、―平成の散楽ミュージカル―茂山茂が舞う と副題が付き、チラシのコピーには、「現代詩と狂言と現代音楽、現代アートのコラボレーションが実現する」と記してあるように、今流行の異ジャンルの芸術がミックスされた意欲的なコラボ劇であった。全く存じ上げてはいなかったが、今京都では人気の若手狂言師が主役である。観客席前方は彼のファンと思しき若い女性で埋め尽くされていた。

 このミュージカル、今年の京都での国民文化祭の催しの一つとして、2年も前から企画が進んでいて、かねてより有馬さんからお会いしたときに話は興味深く伺っていた。増坊が深く敬愛している地元京都在住のフォークシンガー古川豪さんも音楽を担当するとも。有馬さんご自身はあくまでも原作者の立場でしか関わっていないようであった。ただ、いったい現代詩と狂言が一体となったミュージカルとはどんなものであるか想像もつかなかった。なので今回果たしてどんなものに仕上がっているか観るからには楽しみであった。そして観覧して思ったことは・・・・。


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