立冬過ぎた雨の朝に
2018-11-09



 ウチもこれまで数限りなく犬猫を飼ってきてその最期を見届けたが、こんな風に呆けて手のかかる犬は初めてであった。それも子供の時から飼って若く元気な頃に共に楽しい時間を過ごした可愛い思い出ある犬ならばともかく、迂闊にも考えなしに山梨で保健所行きのところを哀れに思い引き取った最初から高齢犬なのであった。
 今も飼い主に甘えるそぶりもほとんど示さないし何につけ反応が鈍く愛想なくまったく示さない可愛げのない犬である。それが呆けて騒ぎ続ける。いったい何でこんなに手がかかる犬を我は面倒みねばならないのか!
 何度も何度も外に出しては何度も散歩してもまた家に入れると騒ぐので、我も睡眠不足が続き疲れ果て、もう保健所に連れて行こうかと考えもした。が、やはりこれも我の毎度のこと考えなしの行動結果であり、トラさんも悪意でやっていることではなく、人同様老いて痴呆症の結果なのだから、これも受け容れるしかないと覚悟した。
 何の見返りもないし金ばかりかかるが、やはり最後までウチに来たからには面倒見ないとならないのである。そう、そういう「縁」ならば仕方ないではないか。

 長くなったが、というわけで、その晩も夜になって父がテレビを見ている間もトラさんは吠えて騒いでいた。で、仕方なくまだ夜もさほど遅い時間ではなかったので、我はいったん軽い散歩させてから老犬は外の小屋に繋いでおいたのだ。
 そしたらば、テレビを見てたはずの父は鳴き声を聞きつけて、勝手にも外に出、その犬を家の中に入れようとアクション起こしてしまったのである。そのことを後で、何でそんな勝手なことを夜するのか、ろくに歩けもしない人間が!と咎めたら、父は「何だ、お前は家に居たのか、出かけていないのかと思った」とのことで、父も犬も呆けた者同士を置いて寸時でも目を離した我が迂闊であった。
 そして、父とトラさんを家の中に入れたが、子猫たちは父が玄関を開け放しにしていたため「脱走」してしまい捜索したが確保にかなり苦労した。

 もういったい何をやっているのか!!

※長くなったのでもう一回続きを書きます。

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[日々雑感]

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